ちなみにこれは
「ネイティブスピーカーの英文法」の
シリーズ第2巻である。 |
難しい単語はよく知っているくせに、前置詞がめちゃくちゃになっている人は意外と多い。場所を示すのにinかatのどちらが良いのか、基本的なことに悩んで辞書を引く人もいる。英語の中では「つなぎ役」ともいえる前置詞だが、これがけっこう難解なのだ。
前置詞を上手く使い分けるには、英語慣れしたセンスがいる。今回はそのセンスを磨くために一読すると役に立つ一冊の紹介である。まずこの本は英文法の教科書ではない。確かに英文法を説いている本ではあるのだけれども、次々に文法を並べては「こういう法則なのだ」とルールを暗記するだけの教科書とは明らかに異なっている。
私たちが日本語を話す時は「何処で」と「何処に」を自然に使い分けられる。それは難しい理由なんて考えずとも、そういうものだという感覚が身に付いているからだ。それと同様に、この本はルールはさておき英語を感覚的に身につけようというコンセプトで書かれているのだ。
最初から最後まで一貫して前置詞のみに焦点を当てている本は珍しいし、私自身も前置詞に弱いと思っているので興味深く読んだのだが(作文を書けば必ずと言ってよいほど前置詞に教授の赤ペンが入るのだ。)本文では数ある前置詞をイラストと噛み砕いた表現で解説し、絵と文で読み手の頭の中に「こういうイメージ」として受け入れられる工夫がなされている。しかも、読み物としてもなかなか面白い。
|