突然ですが、皆さん「go」と「come」、上手く使い分けていますか?
「行く」という意味の単語は?と聞かれたら、「go」と答えると思う。それじゃあ「来る」という意味の単語は?そんなの簡単、「come」でしょ、と。もちろんそれで間違いじゃない。しかしながら、実は「come」を「行く」という意味で使うことが日常会話には多くある。そんな訳で今回のDictionaryは、状況で使い分ける「行く」という意味の「go」と「come」についてである。
コミカレ時代、授業が終わった教室でよくこんな会話をした。「カフェテリア行こう、miyamuも来る?」「うん、一緒に行くわ。」というように。ここで返答のバリエーションの乏しい私がただ「OK.」と言わなかった努力だけは認めてあげたい。しかし、このようなシーンでは「I'm
going with you.」ではなくて「I'm coming with
you.」を使った方がずっと自然に伝わっていただろう。
話している相手と一緒に、お馴染みの場所へ行くのだから、この場合はcomeを使って“私も(あなたの行く場所へ一緒に)行くよ”と言わなければ相手は首を傾げてしまう。goには相手の行く場所とは別のどこかへ向かって行ってしまうようなニュアンスがあり、後に続く「withyou」と矛盾しているからだ。ただし「I'm
going.(今から行くところなの=帰らなくちゃ)」だけでなく「withyou」が付いているから、一応自分の言わんとする事はかろうじて通じると思う。
たとえgoとcomeを混乱して使っていたとしても、相手が意味を推し量ってくれれば大抵の会話の主旨は通じるだろう。でも、誰かに「ちょっと変な英語を話す人」という印象を与えるよりは、「自然な英語を話せる人」と思われていたいものだ。相手にしてみれば、少しでも自分の言っている事が伝わる相手と話した方が面白いし、よりフレンドリーな会話に発展できる。人は誰かと話す時、言葉には出さずとも“この人はどれぐらい難しい事を言っても分かってくれるだろうか”と、相手のレベルによって会話の内容をセーブしてしまう。誰だって幼い子供に何かを伝えるのに難しい言い方をしない。大人が子供に話し掛ける時のように接されるよりは、英語でも大人と大人の会話を楽しめたらずっと気持ち良い。
それではgoとcomeはどのように使い分けるのかという定義について、辞書に載っていることをお借りする。
come 来る
(話し手のほうへ)やって来る
(相手のほうへ)行く
go 行く
(ある場所・人の所・方向へ)行く、向かう
goが出発点を中心に考える(行く)のに対して、come
は話し手のほうに誰かが移動してくる時と(来る)、相手を中心にして相手の思う場所へ移動する(行く)時にも用いる。このような場合を訳すると日本語では「行く」になる。だから、もし私がカフェテリアで待つ友達に向かって「I'm
going.」と言えば、友達の所でなく違う所へ行くかのような感じになってしまう。例えば「I'm
going to the library! (今から図書館に行くからー。)」というように、相手には“miyamuはランチをしないで行っちゃうのね”というように思われてしまう。
「行きます」の使い分けは、話し手と聞き手の会話内容によって決まる。例えば誰かとの対話で聞き手が「When
can you come? (いつ来れる?)」と聞いてきた時、自分は「I
can come today. (今日行けるよ)」と答える事はあっても「I
can go today. (今日行けるよ)」とは言わない。「今から(そちらへ)行くね」と誰かに向かって話している時は、comeを使うのだ。
私が「行きます」という場合に、goではなくてcomeを使うことがあると気付いたのは、実際に会話で耳にするようになってからのことだ。それまで私は中学校で最初に習ったとおり、goの意味を「行く」、comeの意味を「来る」だと思っていたので、日本語での直訳通りに全ての「行きます」を「I
go to〜」と言うものだと思い込んでいた。私の固い頭の中では行く=GO、来る=COMEという不動の定義が出来上がっていたのだ。でも、日本語でもそうであるように、1つの言葉がいくつかの意味や使い方をする場合が多々ある。中学校で、「行きます」の使い分けなんて習わなかったけれど、単語の意味を詰め込むよりも、本当はこういう実際の使い方を教えてもらえた方が役に立つのではないかと思うのだが。
誰でも知っているような基本的な単語でも、使い方を間違えている事は結構ある。そんなウッカリした間違いを人から指摘されると気恥ずかしく感じるものだけれど、失敗した経験があると今度はなかなか忘れなくなる。今回は私が経験した失敗談から、前から書きたいと思っていたのになかなか書けずにいた単語を取り上げてみた。こんな簡単なことでも間違えている奴がいるのだと、笑ってやってください。
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