ABOUT　English 英語で日常生活記録
ミステリアスなあなた
こんな事を堂々と書いて保障はしないが、日本人女性はアメリカでモテる。一体何を根拠にそう思うのかって？それは、日々の生活の中でである。正確にいうとモテるというか、見かけの異なる人種である私たちのことが気になるらしい。興味があるだけってことか･･･いや、よく言えばモテる･･･かなぁ？ 日本人に限らず東洋人はとても若く見られる。私も「学生？」なんて聞かれることがある。酷い時なんて「高校生？」…いくらなんでもそれは無いでしょう。お肌をよ〜く見て頂戴！と言いたくなってしまう。しかし、昼間にスーパーを徘徊している日本人主婦なぞは、きっと放課後の大学生ぐらいに思われているのだろう。 人種間でこんなに違うのかと思うほど、体格の良いアメリカのティーン達。彼女たちの方が明らかに私よりも体が大きいし、化粧も濃い。ピアスで、メイクで、セクシーな洋服で（しかもノーブラで）、もう同性なのにドキドキしてしまう。あなたたち本当に16才？と聞きたいくらいだ。 日本から持ってきた洋服は、アメリカでは活躍の場が少ない。スカートなんて誰も履いていない。たまに日本的な格好をしていると、ちょっとオシャレして気取った人になってしまう。最近では私も郷に従えとばかりにいいかげんな服装で過ごしている。よれたジーパンに、汚れたスニーカー。お気楽である。 西洋人から見れば、中国人も韓国人も日本人もみんな同じだ。100％和顔の私が見ても、国籍の違いなんてわからないのだから無理はない。通り過ぎた人が話す言語を聞いて、はじめて出身国に気がつくのだ。しかし、アメリカ人からはとりあえず「中国人？」と聞かれることが多く、より観察眼の鋭い都会人からは「日本人？」と言い当てられたりする。私のおどおどした態度が、それっぽいのかもしれない。 アメリカ人の思い描く東洋人は、謎に満ちている。21世紀になっても、日本ではみんな着物を着て、ニンジャがいると思っている人がいるのだ。今や世界に誇る日本のハイテク具合も、なんとなくしか理解されていないようだ。結局アメリカでは、日本はとっても遠くにある小さな異国なのだ。 日本の文化もさることながら、民族としての日本人も謎に満ちているらしい。国民性が全く違うのだから、興味を抱かれても仕方が無いとしても、アメリカの「我々が何においても世界の常識」という信条は大きな間違いだと思う。もっと世界の民族を知っても損はあるまい。（もちろん、日本が世界の常識だとは思わないけれども） そんな私がモテたのは、たとえばこういう人たち。 まず、スーパーで出会ったおじいさん。売り場で物色している私に、「君は中国人か？」と聞いてきた。日本から来たというと、マーシャルアーツ、サムライ、ゲイシャといったお決まりの質問攻めにあい、30分は捕まってしまった。英語の間が分からないから、「もう行くわ」と切り出すタイミングが読めない。私に「ゲイシャダンスは難しいのか？」なんてわかるはずがない。 スーパーは話し掛けられる率が絶好に高い、よく言えば英語の実践場である。私は肉売り場のおじさんから結構気に入られていたらしい。思い上がりであろうか？「ビューティフル！ミステリアース！スウィーーート！」って、こういう表現になれない日本人女性はドキドキするのだろうけど･･･。小出しにしないで、お徳用パックな褒め方はあんまり信憑性が無い。 そして、ホームセンターの駐車場で車に乗ろうとしていたら、いきなり「結婚しているの？」と聞いてくる奴がいた。「こちとら主婦だっての」と言うと、「独身だったら電話番号をききたかったのに」と言いながら残念そう。私も気になって「なんで？」と聞いたら「日本人に興味がある」って･･･。1人ぐらいは東洋人のガールフレンドがいてもいいかなっな〜んて思っていた様子。不届き者め。 アメリカで、聞かれて困った質問の多くは男女間の文化についてだ。「日本人女性は男性の後ろについて歩くの？」とか「日本では女性が働いちゃいけないの？」とか「日本の男性は家で一番偉いの？」とか･･･。 これらの疑問を、本当だと勘違いしている人がいるので困る。決してセクシーではない日本人女性だが、いつもうっすらと微笑を浮かべ、ミステリアスで、従順で優しい（と思われている）から下手にモテる。そしてウブな我々は、上手なあしらい方を知らないだけにたじろぐ。 それから、最後に大切なことを。 日本人に興味を抱いて声をかけるだけならまだしも、本当に悪い目的で狙ってくる人も、少なからずいる。海外で気のいい誰かが話し掛けてきても、心のどこかに必ず警戒心を持っていること。これを絶対に忘れてはいけない。残念ながら「日本人は簡単に騙せる」という悪い常識は、日本の文化以上に浸透しているのだ。