miyamu's
happy-go-lucky
明日は明日の風が吹く

 


のんきに行こう。
ゆかいに行こう。

時間とお金を天秤にかける(オーバーブッキング編)

NY近郊にお住まいの方ならば、一度は訪れる機会があろうかと思う、人気の観光地「ナイアガラの滝」。渡米1年目の夏、私たちもその世界3大瀑布の1つを見るべく、1泊2日の旅行計画を立てた。

ここからナイアガラまでは飛行機か車で行くことが出来る。とはいえ車を選択した場合、片道7時間の長距離ドライブが必須であり、往復14時間もの時間を車中で費やさなければならない。でもガソリン代とわずかな通行料だけで行ける。大人数ならば、本当にお金がかからない。

対して飛行機の場合、NYの空港までの時間と飛行機の待ち時間、それに飛行時間と、現地から滝までの運転時間を合計すると、片道約4時間。往復8時間である。でも、どんなに安くても運賃は往復で130ドルかかるし、空港からレンタカーやバスを使うことになる。

飛行機の最大のメリットは、日帰りが出来るという点と、観光に体力的な余裕が持てるという点だろう。もちろんドライブにはそれ自体の楽しさがあるので、車の旅も魅力がある。しかし、ナイアガラとなると、どうしたって現地滞在時間は短めになる。はるばる出かけてそれではちょっと寂しい。時間とお金をはかりにかけたら、滝の迫力を満喫する時間がとても貴重に思えたので、私たちは飛行機を使うことに決定した。



どうせ行くなら早めにと、朝の8時台の飛行機に乗ることにした。空港に着いて、アメリカン航空の受付にてチェックインすると、待合室で搭乗時間を待った。国内線の待合室は非常に小ぢんまりしていて、狭いわりにいくつもドアがあった。搭乗時間がやってきた。やけに受付が騒々しいので見てみると、客と思われる数人が受付と揉めていた。待合室中の注目を浴びるほど、かなり激しい言い争いをしていたのだ。

「どうしたのかな?」と気になっていたが、その様子からオーバーブッキングが起こっているのだと理解した。キャンセルを見込んで定員よりも多くチケットを売ってしまったのだろう。アメリカでは日常茶飯事の光景かもしれない。搭乗時間になって、もう座席分のチェックインを済ませてしまったのに、さらにその便のチケットを持った人が現れた・・・ということだ。早めに空港に来ないと、大変だ。




数分遅れて搭乗口のドアが開いた。チケットを持っている人たちは、言い争いが続く受付の横を通って、バスに乗り込んだ。どうやら飛行機は離れた場所にあるようだった。しかし、バスが満員になっても、なかなか発車する気配が無い。10分が過ぎ、15分が過ぎた。だんだん不安になってくる。

再び搭乗口のドアが開いた。何事かと思ったら、受付にいたアメリカン航空の人がバスに乗り込んできた。彼女はバスの乗客に向かってこう言った。「次の飛行機で行っても良いという方はいますか?その方にはアメリカン航空のクーポンを差し上げます。」車内がざわめく。クーポンはその日のチケット代に足してもお釣りが来る額だったからだ。

次の飛行機は10時台で、それに乗ったらナイアガラに到着するのが1時頃になってしまう。現地で1泊する予定の私たちは、時間的に余裕があるので、次の飛行機にできないこともなかった。飛行機のチケットがタダになるようなものだし、心が揺れ動く。まさに、時間とお金との狭間で揺れる心である。しかし、結局バスに乗っていた誰一人としてその交渉にのった人はいなかった。既に25分が過ぎていた。

何回かの交渉の後、結局あのオーバーブッキングの人たちは次の飛行機に乗ることになったようだった。それは私たちのバスから交代した人が誰もいなかったからだ。でも、こればかりは仕方が無い。きっとあの人たちは高額のクーポンを手に入れて、無料でナイアガラへ飛べるのだから。



ようやく発車したバスの中で、「ナイアガラって人気なんだね〜」と平和な事を言っていた。私たちはまだ気付いていなかったのだ。あのオーバーブッキングが、いくらナイアガラが人気だって、それだけが原因ではない事を。

バスは空港の中をしばらく走り、どんどん奥地へ入っていった。右手にアメリカン航空の乗り場が見えた。どの飛行機かな?と話していたら、バスはその前を通り過ぎ、さらに奥へと進んでゆくではないか。どうなっているのか、さすがに心配になってきた。このバスは一体何処へ!?


はい、
こちらが本日の飛行機です!
(同機種を撮影)

空港の奥の奥、そんな離れたところに来た事無いってほど奥に、「アメリカン・イーグル」の飛行機駐車場があった。バスが減速したときに、右手に表れた小さい小さいプロペラ機の群れに、私たちは「ま・・・まさかコレ!?」とお互い顔を見合わせた。だって、ジェット機だって聞いていたのに〜!

私たちの予想通り、バスは小さなプロペラ機の横に停車した。プロペラの回転でブーーーンと鳴っている。私はナイアガラまでの人気航路を、こんな小さい飛行機で行くとは思っていなかった。驚きを通り越してなかなか可愛いじゃない?なんて思える。でもこれちゃんと飛ぶの?かなり心配・・・。だって比べてみて欲しい。人と飛行機の大きさを!

さて、この飛行機の機内はどうなっているのかと言うと、座席は2人掛けと1人掛けで、その間に通路がある。横一列に3人しか座れないということだ。ちなみに定員は40名程である。え、乗り心地?もちろんジェットと比べたら飛行は遅いし、プロペラはかなり音が大きいし、この小ささは結構ドキドキするものだ。

このアメリカン・イーグルというのは、元はと言えばアメリカン航空の傘下になったイーグル社のことで、そこの小型飛行機をそのまま塗りなおしして使っているようだ。私たちはこの日までアメリカン・イーグルというのを何のことだか知らなかった。ただのアメリカン航空の飛行機の名前だと思っていたのだ。



ナイアガラへ飛行機で行く方に朗報!ぜひともアメリカン航空ではなく、JetBlueという航空会社を選ぶべし!JetBlueはそれほどメジャーではないし、比較的まだ新しい会社だが、全席TVつきのジェット機で、かなり運賃が安いのが特徴。このディスカウントの秘密は、座席がエコノミーしかないのと、マイレージサービスを行っていない為と、機内食はスナックのみということと、人件費をかなり削っている点だろうと思う。

後日、日本からのお客様と一緒に、再びナイアガラへ行った際はこのJetBlueで往復したが、前述のイーグルよりは絶対に良かったと思う。オススメである。





機内のドア横から
小さな階段が出て来るので、
1人ずつ乗り込んでゆく。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送