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カジノへ行こう! (Mohegan Sunでカジノリゾート編)

2003年4月のとある週末、いきなりカジノへ行く事が決まった。夫の会社のチャリティで買ったくじ付き募金で「カジノリゾート1泊券」が当たったのだ。スパイスのセットを狙っていただけに、カジノとは思いも寄らぬ展開である。

カジノリゾートというのは、メインのカジノの他にホテルやスパ、レストランやショップなどが一つ屋根の下に入った総合リゾート施設のことである。でもやはりカジノはカジノなので、ここに買い物や食事だけするためには足を運ばない。たとえカジノ以外の施設が整っていたとしても、カジノというのは大人の為の遊技場なのだ。

私は賭け事に対してかなり消極的で、自分はギャンブルに向いていないタイプだと思う。なにせ現金を賭けてやり取りするのだから、小さい事でハラハラするような度胸の小ささではやっていられない。カジノに行ったら、近所のスーパーで今日は何が安いのかとチラシを細かくチェックしているような金銭感覚は捨て去らなければならない。

そんな私の元に舞い込んだカジノリゾートである。赤札商品をこよなく愛する私にとって、これは大冒険である。それでもせっかくカジノに行くのだから、ちょっとぐらい遊んでみる心の余裕は欲しいのが正直なところだ。行くと決めたら楽しまなくちゃ損というもの。そんな訳で、私はカジノへ行く前に最初から自分の身分相応に見合った軍資金をきっかり分けておくことにした。財布の中に入っている分だけは使っても良いとあらかじめ決めてしまえば、最終的にそれを丸々失っても自分で決めたのだから割り切れるし、引き際を見失わずに済む。




で、どこにあるの!?
目的地はNYの東隣、CT(コネティカット)州にある「Mohegan Sun」である。CT(コネティカット)州には「Mohegan Sun」と「Fox Woods」という大規模なカジノリゾートがある。両方ともNYから2.5〜3時間ほどの距離にあり、出かけるならばちょっとした長距離ドライブとなる。NY方面からI-95号線をひたすら北上し、CT州を横断する感じだ。

建物の周辺は森林地帯なので、そんな場所にカジノがあるのがミスマッチにも思えるのだが、それには訳がある。「Mohegan Sun」と「Fox Woods」はネイティブアメリカンの特別指定居住地内に建っているのだ。現在のCT州の法律ではカジノは禁止なのだが、ネイティブアメリカンの居住地にはこのルールが適応されない。

CT州にはネイティブアメリカン、俗にいうインディアンの指定居住地があり、ネイティブアメリカンの居住地には彼らを保護する目的で作られた特別な法律がある。カジノの経営もその一環であり、カジノで得られた収益金はネイティブアメリカンの主要な収入源となっている。
ちなみにネイティブアメリカンにも種族があって、CT州にある2ヶ所のカジノを経営しているのはそれぞれ別の種族である。カジノで負けて大枚をはたいても、ネイティブアメリカンに寄付したようなもの・・・そう考えればお金を無駄にしたという後悔の念も軽減されるかも・・・!?




カジノリゾートに潜入!

I-95号線をひた走り、CT州も終わりに近い場所にMohegan Sunはある。建物のすぐ近くまでハイウェイに乗って行けるのが嬉しい。ハイウェイの出口が近くなると、カジノに向かうリムジンやバス他州ナンバーの車を見かけるので分かり易い。周囲の木々と比べると妙に近代的な外観のホテルが見えると、もうそこはカジノリゾートの入り口である。
今回はホテルの宿泊券を持っていたので、私たちはメインエントランスから入った。係員に車を預け、早速チェックインへ向かう。(右の写真はロビーの様子。)

施設内に入ると、ネイティブアメリカンのルーツを意識した内装なのか、ガラス玉とモザイクを基調とした壁画や装飾、控えめで温かみのある照明、センスのよいどっしりとした調度品など、どれをとっても豪華できれいだった。まるで自然をモチーフにした近代アート空間という感じである。そして、なんと言っても広い!!!カジノの不健康そうでダーティなイメージなんてここには無さそうだ。
とりあえず荷物を置きに部屋に入ることにした。Mohegan Sunのホテルには部屋が約1200室もある。これが週末にもなると満室になってしまうのだから、カジノ人気は侮れない。実は、週末は1ヶ月以上先までオーバーブッキング状態で、私たちが宿泊予約を入れた時も最初は満室だと言われていたのだ。でも、このオーバーブッキングが私たちに幸運をもたらした。

部屋に入ると同時に、予想を覆す驚きの光景が視界に飛び込んできた。その部屋は今までに私が泊まったどのホテルよりも広かった上に、インテリアも設備品も、どれも本当に素晴らしかったのだ。2つあった部屋のそれぞれにTVとソファが配置され、寝室にはシルクのリネンが掛かったキングベットが鎮座していた。トイレは2つあり、バスタブとシャワールームは分かれていて、アメニティも充実していた。しかも、クロゼットにはふかふかのバスローブがかかっていた。ゴ・・・ゴージャスッ!

ドアに貼ってある避難用のフロアマップを見ると、その部屋は通常の部屋に比べて倍の面積があるではないか。くじで当たった宿泊券は通常のグレードだったのに、なんとラッキーなことに、私たちの部屋はアップグレードされていた。これはオーバーブッキングのおかげとも言えるアップグレードである。追加料金無しでゴージャス気分が味わえるなんて、これは今日のカジノも幸先良さそう!なんて、これで運を使い果たさなければね・・・(笑)




Mohegan Sunの施設

身軽になったところで、Mohegan Sunのカジノフロアへ降りていった。Mohegan Sunのカジノは2つのゾーンに分かれていて、それぞれ「CASINO OF THE EARTH」「CASINO OF THE SKY」と名が付いている。陸と空にちなんだカジノなので、使っている色合いや装飾が異なっている。これは趣向が違うテーマパークのようで面白い。
2つのカジノを隔てるのは、屋内に作られた人口岩と滝である。この辺はなんだかディズニーランドのよう。やはり自然をテーマにしているのだ。滝の周りにレストランとショッピングのエリアがある。レストランにバー、それにスターバックスのようなコーヒースタンドまで、ここには29店舗の飲食店が入っているそうだ。

このカジノに挟まれた場所は誰でも入る事が出来る。実は行くまで知らなかったのだが、カジノには21歳以下の人は何人たりとも入れないのだ。だから子供と一緒に来ている人は、ベビーシッターのいるチャイルドケア施設に子供を見てもらっている間にカジノをしたり、子供達と一緒にスパでプールやジャグジーに入るのだろう。この他にもスポーツの試合が出来るアリーナや、ライブステージもある。

Mohegan Sunのカジノはかなり広い。ゲームの種類もバリエーション豊かである。ゲームを進行する人に加えて、飲み物を運ぶウェイターやウエイトレス達の従業員数も半端じゃなく、親切で人当たりの良いスタッフが至る所に配置されている。

無数に並ぶスロットやビデオポーカー(ゲーム機)が回る電子音と、メダルがマシンから排出される音が絶えず聞こえる中、ぐるっと一回りしてみる。スロットのように1人で遊ぶゲームから、ポーカーやブラックジャックなどの各種カードゲーム、ルーレット、バカラ、レース予想、キノ、その他にも私の知らないゲームが沢山あり、ギャンブラーには感動の充実ぶりである。



青いテーブルと黒いチップ

カジノフロアの只中に、高級感漂う青いテーブルが並ぶエリアがある。それこそ、ハイリミット専用(高額ベット)の聖域の証である。ちょっとした柵に囲まれたそのエリアは、他のカジノとは一味違う“真のギャンブラー”の為の場所なのだ。通常のベットのテーブルゲームで使われている台の色は緑なので、違いは一目瞭然である。

近寄りがたい危険な気配を感じつつ、その中で行われているゲームとは一体どのようなものなのかと探りを入れたくなるのが人の心情というものだ。場違いとは思いつつも、恐る恐る足を踏み入れる事にした。もちろんただの冷やかしだし、野次馬根性丸出しである。

青いテーブルでは主にブラックジャックが行われていた。ディーラーと客の間にも心なしかピリピリしたムードが漂っている。テーブルに掲げられたミニマムベットを見れば、その理由も納得である。なんとミニマムが100ドルと200ドルなのだ。

私にとっては、もう既にこれだけで恐ろしい。ミニマムということは、一回の勝負につき最低でも100ドルを賭けなければならないということなのだから。100ドルは(1ドル120円だとしたら)1万2千円である。もしも200ドルのテーブルなら、額は当然倍の、2万4千円である。ヒエ〜ッ!!

どんな人がそんな勝負に挑もうというのだろう。だって、ブラックジャックのようなカードゲームに挑む人は1回ぽっきりの勝負などは狙わない。勝ったり負けたりを繰り返しながら、数時間の長丁場で戦うのだ。だからそんなゲームに参加している人は、絶対に只者ではない。そこにいるのは、極太の葉巻と分厚い100ドル札が似合うおじさまや、水割り片手にディーラーと1対1で勝負しているおばさまや、チンピラ風のお兄ちゃんである。それに、中国系と思われるアジア人も多い。
ゲームで使われるチップは、金額ごとにそれぞれ異なる色と、自然にちなんだ絵が書かれている。ちなみに100ドルは黒で、絵は亀だった。カジノで私たちが使うチップは5ドル(赤)と25ドル(緑)である。この写真は25ドル4枚を100ドルにした時に撮った貴重な一枚。
ハイリミットテーブルを囲む人達の手元には黒いチップの山が置かれ、一度にそれを3〜4枚賭けている。山だけ見ても、その人たちがゲームに少なくとも2000ドル(24万円)はつぎ込んでいるのが分かる。そしてゲームに一度勝てば掛け金は倍になり、負ければ丸ごと失う。当たれば大きいし、負ければ容赦ない。すごい戦いだ。

掛け金は100円や1000円ではない。2000ドルである。その金銭感覚って、一体どうなってるのだ?普通の会社員なら、月収を丸ごとカードゲーム賭けてしまうようなものではないか。あまりに過酷なギャンブラーたちの戦いをしばらく見ていたら、手持ちのチップが無くなった人が「まだまだ」とばかりに100ドルの束をバサッと無造作にテーブルに出していた。ウワ・・・。まだやるの??というか、あなたは一体何物なの?

いやはや、世の中には凄い人達もいるのだ。勉強になりました。



PLAYER'S CLUB

受付で21歳以上であることを証明出来るIDを見せると、PLAYER'S CLUBなるものに入る事が出来る。このカードは、ゲームに参加する際にチェックされる。また、ゲームに参加した時間と賭けた金額によって、施設内での買い物や食事などの特典に還元できるポイントが加算されてゆく仕組みになっているのだ。
例えばスロットで遊ぶならば、機械にカードを差し込んでおく。そうすれば機械が稼動している間は自動的にポイントが付くようになっている。テーブルゲームならば、テーブルの賭け金と参加時間に応じてポイントが付けられる。先ほどの青いテーブルでゲームにいそしむ人々は、きっと食事も宿泊もこのカードに付けられたポイントによって無料同然なのではないかと思う。


禁煙テーブルにて

禁煙国家とも言えそうなアメリカながら、カジノの中は喫煙天国である。そこで、煙草の煙が苦手な人のためにNo Smoking専用のエリアが用意されている。空気清浄機のせいか、風が外向きに吹いている屋根の下では一通りのゲームが楽しめるようになっていた。私たちは煙草を吸わないので、カジノ内ではもっぱらこの禁煙テーブルで過ごした。

他にも、さすがアメリカだと思わせる事があった。カジノの中に、車椅子の人でも参加できる高さを低くしたバリアフリーテーブルがあるのだ。こんなところでも当たり前のように配慮があることに感心した。現に車椅子の人も多く訪れているようだったし、ここでは皆でゲームに参加して楽しむ事が出来るのだ。

私は主に夫のブラックジャックを後ろから見学していた。低額のテーブルながらも駆け引きはあり、頭を使うのでハラハラドキドキの連続である。ディーラーのカードさばきはお見事で、人によって流儀があるようだった。勝負には流れがあるようで、勝つときは波に乗って勝ちまくるのに、負けるときは胃がぎゅっとするぐらい続けて負ける。この流れを読んで、勝負どころで大きく賭けるのがカジノの醍醐味なのだろう。カジノが好きな人にはこの重圧的な感触がたまらないのだろうなぁ・・・。

ところで最後に、気になる我々の勝負結果はというと・・・?
ブラックジャックを数時間楽しんで、最高に勝っている時はなんと軍資金の2.5倍ほどまで膨れ上がっていたのだが、最終的にはその半分ほどになってしまった。でも結果的には少々のプラスである。2人で夕食くらいは食べられるかな?という感じだ。「ああ、あそこで止めていればね〜っ!」と言いたくなるけれど、賭け事をしておいて後悔するのは野暮ってものである。しっかりゲームに時間を費やして、楽しんだ分だけの料金は払った、ということなのだろう。これも勉強代である。もともとカジノリゾートに宿泊すること自体が無料だったのだから、今回は十二分に楽しませて頂いたのだ。何も不満などございませんとも。


★Mohegan Sunのサイト
http://www.mohegansun.com/index.jsp






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