このTHE BOSTON BEER COMPANY は、おじさんの絵でおなじみのSAMUEL
ADAMS を作っている会社である。割と色々なレストランやバーに置かれているが、もともとSAMUEL
ADAMS はボストンの地ビールなのだ。
SAMUEL ADAMS氏は実在した人物(かつてアメリカが独立戦争の時代に活躍したお方)だというので、おじさんだなんて言ったら叱られてしまうかもしれない。 |
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ボストンへは1泊2日で出かけた。お昼前にホテルに到着、車を停めて市内観光へ出かけた。BREWERY
TOURには、観光に余裕があったら行ってみようかと話していたにも関わらず、ツアーが始まる30分前になって突然「やっぱり行こうか!」と言いだした。その日の最終ツアーは午後2時である。ボストンの中心街から地下鉄で20分かかるとしたら、時間はギリギリだった。
地下鉄の駅を見つけるのに苦労して、ようやく電車に乗った。THE
BOSTON BEER COMPANYまでは、地下鉄のオレンジラインで行く。Stony
Brook駅で下車し、徒歩3〜5分という距離にある。この駅の周りは住宅街なので、観光客はほとんどいない。チラシにあった案内によると、「地上に出たら左に曲がってBoylstonストリートに入り、最初のAmoryストリートで右折する。今度は最初のPorterストリートで左折する。突き当たり右手にビール工場がある。」とのこと、まさにその通り。行き方はとても簡単だった。
ちなみにこの日は、EARTH DAY(2002年は4月27日(土)だった)ということで、地下鉄の全ラインが無料だった。NYではEARTH
DAYというのを聞いたことが無かったが、毎年最終土曜日なのかもしれない。
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ゲート内に入ると見える、
積み上げられたビア樽が目印。
工場内ツアーはこちらという矢印がある。 |
午後2時ちょうどにツアーの始まる部屋(一応小さな博物館になっている)に着くと、既に50人弱の人で賑わっていた。そこではSAMUEL
ADAMSのルーツを探るようなVTRが流れていて、その放送が終わると司会のお兄さんが登場し、皆を工場内ツアーに誘導していった。
このツアーは一応1ドルのDonation制となっていて、入り口に寄付用の貯金箱が置かれている。私たちは列の最後にいたので、皆の様子をみていたが、寄付を入れる人、入れない人と様々だった。1ドルを入場料と言わないで、任意としているのが好感的だ。
このツアーはSAMUEL ADAMSの原材料や作り方の話を中心に、工場内の様子を紹介するというような短いものだ。聞いている方は、ビールの製造工程にはそれほど関心がない様子だった。せっかく工場見学に来ているのにねぇ、でも、私は英語がよく分からないのでさらに関心ない様子。デジカメで工場内部を写すほうが楽しいという状態だった・・・。
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これらのタンクには
作りかけのビールが入っている |
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司会のお兄さん。
「さあて、皆さんお待ちかね
試飲の時間ですよ〜」
「イエーイ!」
「声が小さいなぁ・・・」
「イエ〜イッ!」
「そうそう、そうでなくっちゃね」
って、ノリを強要するなーッ!
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ここで、それまでやる気の無かった参加者達が一斉に活気付く。おおっみんな、ビール目当てかい!?アメリカの法律で21歳以上の人しか試飲出来ないことが伝えられた。ここではIDの掲示を求められることが条件だった。参加者は「ようやく飲めるぞ〜」と、ゾロゾロと試飲会場に移動する。
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部屋の入り口でIDを掲示すると、
SAMUEL ADAMSのグラスが手渡される。
なんとこのツアー、嬉しい事に
持ち帰りOKの記念品付きなのだ! |
暗い室内にはテーブルと椅子、
カウンターまであった。
バーの雰囲気を醸し出している。
○印のお兄さんがご挨拶。
「SAMUEL ADAMSはビール本来の材料を吟味して作られた、しっかりとモルトとホップの味がするビールです。さ、まずはオリジナルから・・・」 |
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前方から、たっぷりとビールが入ったピッチャーがいくつも回ってきた。しかも、キンッキンに冷やされた状態で出てくるのだ。
こちら、スタンダードなオリジナル味。琥珀色がとても美しい。味もアメリカのビールとは思えない、コクのあるもの。飲み応えあり。あ〜つまみが欲しいッ!
アメリカ人、ワイワイガヤガヤと陽気である。ビールを片手に楽しそう。しかも、ものすごいペースなのだ。・・・おかわりって、君たち何杯目だよ? |
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満足気分になりつつあるのに、なんと、あと2種類も試飲出来た。ピッチャーが次から次へとやってきて、飽和状態で困る。なんて贅沢なことだろう。
左:チェリーフレーバーのCherry Wheat。これは好き嫌いがあると思う。私はけっこう好きだが、夫は「あんま・・・」とのこと。
右:黒ビールのCream Stout。炭酸が弱く、甘いような、トロッとしているような、まろやかな黒ビール。日本の黒ビールしか知らなかった私は「え、これ製造中のビール?」などと大ボケしてしまった。 |
皆で仲良く飲んで、ビール工場の見学ツアー(っていうかビール試飲会)は終了。この日はこれが最終回だったため、ゆっくりと試飲できた。自分のグラスはお土産に出来るので、1ドルの寄付でも安いのではないだろうか。グラスを持ち帰るために、何とか飲みきらなくてはッと頑張る必要はない。最後にカウンターの流しでグラスを簡単にすすいでくれるのだ。(でも、夫曰く、結構嫌そうな顔をしていたらしい。)
試飲の部屋を出ると、そこにはSAMUEL ADAMSの小さなお土産屋がある。ここには先ほど貰ったグラスやジョッキなども売られているし、Tシャツや栓抜きといったオリジナルグッズもある。ほろ酔いの楽しい気分で、参加者達はお土産を買ってしまうのだろう。タイミングよい、お土産屋なのだ。
確かに1ドルの寄付は安いけれど、きっとこのお土産で儲かるのだろうなぁ。だって、値段がつけられているグッズの殆どは、本来非売品の販売促進品なのだろうから。とはいえ、かくいう私もSAMUEL
ADAMSのビール瓶型のマグネットを買って、夫はシンプルなTシャツを買って、しっかり売上に貢献したのだった・・・。
さて、ツアーが終わって工場を後にする時、さっきまでビールをがぶ飲みしていたおじさんやお兄さん達が何事もなかったかのように車で帰っていた。思いっきり飲酒運転なんだけど〜、いいのかなぁ。でも、もともと工場がゲスト用の駐車場を用意しているのだからね、そういうことで(笑)
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