ABOUT Town
公共の英語教室体験記

TownのESLを始めよう

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月の下旬、私は一月前に日本を発った夫を追って渡米した。(2000年のお話です)

うとうやってきた、初めて海外へと向かう日。私の手には片道の旅券とピカピカのパスポートがあった。結婚に伴い、学生時代に作った私のパスポートは一度も使われること無く再発行となった。あの幻の卒業旅行(Private参照)に行くために、初めて作ったパスポートにはあっけなく「VOID」と穴があけられてしまった。

前も旅券も国さえも、何もかも新しくなってしまう私の暮らしは、これから一体どうなってゆくのだろうか。



がアメリカで初めて通った英語学校はBerlitzだ(Berlitz参照)。しかし、実は本当はその前に通おうとしていた英語教室があった。それがTownの英語教室である。

米して、車を手に入れたとはいえ、私の当時の行動範囲は非常に狭かった。運転初心者で、道が分からない。標識が読めない。今いる場所もわからない。事故にあっても英語が話せない・・・。そんな私にとって、運転は最初の挑戦であった。

の頃、夫の会社の先輩夫人がありがたいお話を教えてくれた。それこそが、ESLを無料で開催している公共の教育機関=Townの英語教室である。アメリカにはこのように、アメリカで暮らしながらも英語の出来ない外国人が教育を受けられるチャンスがある。安全で、家からも近く、時間も昼間で、なんといっても無料とは。なんてすばらしいのだ!これを利用しないなんて手は無い。



輩夫人から貰ったTownの英語教室のパンフレットをよく読むと、そこでは英語のみをやっている訳ではなく、様々な分野の学べる成人教室のようだった。そのなかでESLだけは、英語を母国語としない住人の為に開講される。ESLにもレベルがあり、いくつかのクラスを選択できるようになっていた。

通り、初級用のESLは無料だった。しかし中級と上級のESLは有料と書かれていた。いずれにせよ、非常に安かった。週に2時間の授業を2回、それを3ヶ月で、$200もしないとは、本当だろうか!?あまりの格安さにふと心配になってしまう。



し込みの日が来るまでに、アメリカでの生活も2ヶ月ほど経っていた。この2ヶ月間を、私は閉鎖的に過ごしていた。発する言葉のほぼ100%が日本語だった。アメリカにいるのに、アメリカ人とは誰とも会わずにいたし、アメリカ人との人脈もなかった。

のままではいけないと、毎日思った。早く何かを始めなければと言いながらも、特にできることもないままに申し込みの日を待っていた。出遅れると自分の重たい腰がどんどん沈んでゆくのも良く分かっていたし、せっかく日本で努力したことが日に日に薄れてゆくことも感じていた。私はとても焦っていた。

メリカに来る前、鎖国人間の私を改造するのに、どれだけ大変だったかを思い出す。しかし自分の背中をぽんと押してくれる手は無かった。自分でやらなければならないことに、誰も背中なんて押してくれなかった。
 
 




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